青春を取り戻すのは、とても高価だ。

 ブリヂストンのロードマンという自転車はご存じでしょうか?

少年時代にあこがれていた12段変速・18段変速のスポーツサイクル車。

ドロップハンドルと、フロントバック、リアキャリアと、ロードマンがあれば世界一周も憧れではないような妄想を駆り立てられた、魅力的な自転車。

 小学校5年生の時に買ってもらい、子どもながらに行動半径がとたんに広くなったことに感動を覚えた。

 下北沢のグリーンマックス、渋谷の東急ハンズ、越谷の祖父の家、とにかく遠くへ遠くへと、足を伸ばしていった。

 家出をしたときもロードマンと一緒だった。世界一周の妄想が出来る自転車だから、フロントバックに、小間物と地図を装備し、リアキャリアには寝袋等の生活道具を積んで、家出をした。

 

 余りに幼かったので、お金を持ち出すのを忘れていて、次の日の夕方にはシオシオと自宅へ帰った。

 しかし、そこは家出、大騒ぎになっていて、各方面の方々は一晩中捜索をし、警察にも捜索願が出されていて、戻った早々、警察に出向き自ら捜索願を取り消すというおまけまでついてしまった。

 それから22年経ち、実家で放置されていたロードマンが捨てられることになった。

錆だらけで、ツタが絡まり、タイヤも腐っている。どこから見てもゴミにしか見えない。

 しかし、どうしても気になる自転車だったので、実家から引き取ってきた。

「スピードの出る自転車だから、修理して乗れるようになれば、頑張って通勤に使えるかもしれない。」なんて淡い思いを抱き、修理を始めた。

 ところが、あまりにもひどい状況で、全てのパーツが交換という、とんでもない事態になってしまった。

 分解するにあたり、自転車専用工具が必要な部分が現れると、そのたびに購入。

 単純にモンキーレンチなども、ちゃんとしたのを購入。

 工具代だけで、格安ママチャリが買えてしまう。

 全てのパーツを分解したところで、復活の目処が立つかどうかを算段する。

 色々調べると、それなりに今時のパーツが使えそうなことがわかる。

 「よし、今時のパーツで何とかなりそうだ」というところで、前後のタイヤを自転車屋に持ち込み、見積もりをお願いする。

 結果、タイヤ前後合わせて3万円弱!

 さらに一台、高級ママチャリが買える!

 そのうえ、ヤフオクで部品取り用に落札したロードマン、自分のロードマンより程度が良く、部品取りのロードマンを復活させた方が良いんじゃないの?って展開になりかける。

 「青春よ再び!」と考えた自転車復活計画、どうも、大人の趣味の世界、いや、泥沼への一歩になってしまうのだろうか、、、

 写真はいずれアップします。