ボーイスカウトの信頼度
「ボーイスカウト」を何となくでも知っている人は、とてつもなく多い。
そして、ボーイスカウトの制服を着ているだけで、その人の信頼度が高くなる。
例えば
「道を尋ねる場面で、女子高生しかいなかった場合」
おっさんが車から声をかけて、道を教えてもらおうとしても、不審者扱いされるのが関の山である。
ちゃんと制服を着て、「ボーイスカウトですが道を教えていただけませんか?」と尋ねると、丁寧に答えてくれる。
「深夜のマクドナルドで飲食を行う場合」
そもそも、こんな事があってはならない。都条例で少年だけで深夜の飲食店へ入ってはならないのである。
しかし、現実は間違いも起こるわけで、オーバーナイトハイクの途中で、リーダーと一緒にラーメン屋で緊急夜食をとることになったのだが、なぜかスカウト数名がマクドナルドへ行ってしまった。
その上ボーイスカウトの制服のまま入って行ってしまった。
カウンターの店員は「子どもだけでこの時間に飲食を行うことはできません」と丁寧に断りを入れたそうだ。
ごもっともな事です。お店側にも責任が及ぶわけだから、ダメなものはダメと断るのが当然。
ところが、奥から店長らしき人が出てきて、「ボーイスカウト活動中ならば販売飲食をさせてあげなさい」と、店員さんに指示をしたらしい。
スカウト達は、しっかりと飲食をして帰って来た。
厳密には大人が付き添っていない状態だからダメなんだと思うが、ボーイスカウトということが、信頼に値するという事の一つだと考える。
先日は「港区民祭り」に参加して、迷子の女の子を保護した。
2歳くらいの女の子が、一人で半泣きの不安顔で歩いていた。周りを見渡しても親と思われそうな人はいない。
迷子じゃないかと勘が働いたが、周りは何も気にしない。
女の子がどこかへ行ってしまうと話がややこしくなる気がしたから、彼女のところへ行った。
私はボーイスカウト奉仕中のため制服を着ていた。制服を着ていなければ祭りのスタッフを先に呼んでいたかもしれない。
今回は制服を着ていたから、気兼ねなく女の子に声をかけて、手をつないでしかるべき場所へ連れて行くことができた。
連れて行く途中にお母さんと遭遇し、無事引き渡すことができた。
制服を着ていないひげおやじが2歳の女の子の手を引いて歩いているのを、彼女のお母さんが見たらどう思っただろうか。先にも書いたように、私だけだったら彼女の手を引いて歩く手段はとらなかったと思う。
まだまだ、ボーイスカウトの信頼度は残っていると思うし、それなりに知られていると思われる。
この強みを生かさない手はないのだが、スカウティングをしている大人たちは、その制服を嫌って着なくなっている人が多い。
そして、その大人を見本として、子どもたちも制服を嫌う傾向がある。
制服デザインの善し悪しは別として、今あるものを最大限活用しないともったいない。